こんにちは!
八戸市の工務店、タナカホームです。
新しいキッチンを選ぶ際、デザインや収納ばかりに気を取られていませんか?
実は、毎日の料理の快適さ、さらにはあなたの腰痛や肩こりといった身体の負担に直結するのが、キッチンの「高さ(ワークトップ高)」です。
一度設置すると簡単には変更できないため、この高さを間違えると、何十年も「使いにくい」キッチンで過ごすことになってしまいます。
今回は、あなたの身体にぴったり合うキッチンの高さを、具体的な計算式とともに徹底解説し、後悔しない選び方のポイントをお伝えします。
Contents
1. なぜキッチンの高さが重要なのか?合わない高さが引き起こすトラブル
キッチンの高さが合っていないと、私たちは無意識のうちに無理な姿勢で作業を続けてしまいます。
最も困るのは、長時間の作業による身体への影響です。もしキッチンが低すぎると、食材を切る際などに前かがみの姿勢になり、腰や背中に大きな負担がかかり、腰痛の原因になります。一方、高すぎると、腕や肩が常に上がった状態になり、肩こりや首の痛みを引き起こします。特に包丁に力が入りにくくなるため、硬い食材を切る際に怪我のリスクも高まります。
毎日使うキッチンだからこそ、身体への負担を最小限に抑えるため、最適な高さを選ぶことが非常に重要なのです。
2. 自分に最適なキッチンの高さを知る「2つの黄金計算式」
多くのメーカーが採用している標準的なキッチンの高さは85cmですが、あなたの体格に合う高さは、この標準値とは限りません。ここでは、理想的な高さを導き出す2つの計算式を紹介します。
計算式①:身長から割り出すメーカー推奨の基準
最も一般的で分かりやすいのが、以下の計算式です。これは、立った状態で自然に腕が曲がり、作業しやすい高さを求めるものです。
例えば、身長160cmの方であれば、計算結果は85cmとなり、身長170cmの方であれば90cmが目安となります。
計算式②:作業姿勢を重視する「肘高」からの算出
調理動作の多くは肘を起点に行われるため、実際に肘の高さから計算する方法も近年重要視されています。まず、床から肘までの高さ(肘高)を測り、そこから10〜15cm引いた値が、まな板を置くのに適した高さとされます。
包丁を使う「切る」作業を重視するなら、少し低めのマイナス15cmを。洗い物や盛り付けなど「シンクでの作業」を重視するなら、少し高めのマイナス10cmを目安にすると良いでしょう。
3. 【後悔しないための3つの注意点】高さ選びの壁を越える
計算式で理想の高さが出ても、そのまま決めてしまう前に、以下の3つの注意点を考慮しましょう。
1.キッチンに立つ人が複数いる場合の決め方
家族の中でキッチンを使う人が複数いる場合は、「最も長くキッチンに立つ人」の身長に合わせて高さを決めるのが基本です。もし身長差が大きく、もう一方が不便な場合は、厚手のキッチンマットを敷く、高さ調整可能なまな板台を活用するなど、道具で調整することを検討しましょう。低い高さを後から調整するのは難しいため、わずかに高い方を選ぶ方が安全策となります。
2.コンロ(加熱機器)の高さを考慮する
システムキッチンの高さが高めの場合、ガスコンロの五徳の高さが加わると、さらに作業面が高くなります。背が低い方は、中華鍋や深い鍋を使う際に非常に不便を感じやすくなります。IHクッキングヒーターであれば作業面がフラットになるため、高めのキッチンでも比較的作業しやすいと言えます。
3.製品の規格は5cm刻みで迷う場合
市販のシステムキッチンは、通常、80cm、85cm、90cmといった5cm刻みで高さが展開されています。もし計算結果が83cmのように中間的な値になった場合は、基本的には高い方(この場合は85cm)を選ぶことをおすすめします。低い高さを後から修正するのは難しいためです。
4. 最終確認!「ショールームでの体感」が全て
計算式はあくまで理論値であり、腕の長さや姿勢の癖など、個人差は必ずあります。
最終的に高さが自分に合っているかを確認するためには、必ずショールームに足を運び、実際に体験することが最も重要です。実際にまな板を置いて包丁を使う動作をしたり、シンクに手を伸ばして洗い物をする姿勢をとったりして、肩や腰に無理な力が入らないか確認しましょう。
キッチンの高さは、あなたの毎日の快適さと健康に直結する、もっとも重要な「設計」の一つです。
計算と実体験を組み合わせて、あなたの身体に一生フィットする最適な高さを選んでくださいね。